技術情報

コロナ放電式(電圧印加式)の種類

交流式(AC方式)

交流電源を利用し、1つの放電針からプラスイオン(+)とマイナスイオン(-)を交互に発生させる方式です。交流式は近距離・無風での除電に適しており、多くの製造現場で使用されています。

交流式(AC方式)イメージ

高周波型(約70kHz)商用周波数型(50/60Hz)

高周波型とは

商用周波数より遥かに高い周波数(約70kHz)で、高電圧を放電針に印加し、コロナ放電を発生させることによってプラスイオン(+)とマイナスイオン(-)をバランスよく多量に発生させることができ、高い除電効果を発揮します。

特にチューブによる除電に利用すると、他の方式(商用周波数型や直流型)では不可能なスポット除電が可能です。さらに半導体素子などに放電針から発生する電界を近づけることによるダメージを避けることも可能です。

商用周波数型との比較

商用周波数型は巻き線トランスを使用しているため、装置が重く、形状も大きいのが特徴です。それに対して高周波型は、基板上に素子が組み込まれているため超小型軽量タイプとなっており、半導体関連装置の省スペースに組み込むなどの用途に利用されます。

商用周波型 高周波型
放電周波数 50/60Hz 20~80kHz
商用周波型 波形 高周波型 波形
印加電圧 5~8kV 2~4kV
連続印加
電荷発生 1個の放電針から正負電荷を交互に発生
形状 中型、重い 小型、軽量
高圧配線 必要 電源内蔵、不要
除電性能 遠距離
印加電圧 近距離
印加電圧 高速対応 不可(複数本使用により可)
管等による電荷搬送 不可
帯電物体間距離 近接不可 近接可
電荷平衡度合
(高周波型は、周波数が高いため時間に対する変動が少ない)

定常直流式(DC方式)

2本の放電針にそれぞれプラスイオン(+)とマイナスイオン(-)を印加する方式です。常時、高圧が印加されるためイオン量が多く、除電スピードが早いことが特徴です。放電針の摩耗はプラスイオン(+)とマイナスイオン(-)とで異なるため、時間経過とともにイオンバランス電圧が大きくなる傾向にあります。

定常直流式(DC方式)イメージ

パルス直流式(pulsed DC方式)

除電スピードが早い特徴はありますが、いろいろな周波数成分を含んでいるため、ノイズが大きい傾向にあります。
放電針周りの絶縁物汚れに対して、電流洩れによる損傷が発生することがあります。

パルス直流式(pulsed DC方式)イメージ

ハイブリッド デジタル コントロール-AC式(HDC-AC方式)

プラスイオン(+)とマイナスイオン(-)の出力をデジタルコントロールし、独自のイオンバランス調整機能をもっています。高速移動物体の除電や、ムラのない除電が可能となり、より進化した静電気の除去が可能です。放電針の汚れに対しても特性の変化が少なく、頻繁に清掃を行わなくても長期間安定した除電性能を維持することが可能です。

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